秋田でデジャヴ
夏休みは秋田と山形の蔵巡りに出かけることにした。
月曜日に新幹線で秋田に入って飲み歩き、火曜日にレンタカーを借りて蔵巡りし、そのまま山形に行って三泊するとザックリ決めた。
いつもなら自分自身で飲みに行く店や宿を決めるのだが、事前に調べる気力も体力も無い。
宿の予約は妻に一任し、蔵訪問のアポは私が取る。
店のお客様で秋田出身の方に、秋田料理と秋田の日本酒を楽しめる店を聞き、何軒かのリストを作ってもらった。
ランチや観光は、気の向くままに現地で決めることにして、かなり無計画なまま出発する。
新幹線の車内でリストを見て、良さそうな店に予約の電話を入れると、第一と第二候補は満席で撃沈する。
結局行く店が決まらないまま、秋田に到着した。


初日の宿は、最上階に温泉がある、秋田駅近くのビジネスホテルだ。
シャワーを浴びて着替えてから、繁華街の川反(かわばた)に徒歩で向かう。
25年ほど前に訪れた記憶では、地元客や観光客でごったがえす飲み屋街だったはずが、当夜は悲しくなるほど寂れた印象だ。
第三候補の郷土料理店「いろり家」に行くと、拍子抜けするほどすんなり入れる。

地酒の樽がディスプレイされた外観、背をかがめて入る入口、方言を駆使するオバチャン、あらかじめセットされた小鍋のお通しなど、初めて来た店なのに、二回目のような気がする。
ちょうど一年前に行った、長野駅近くの「信州長屋酒場」にそっくりなのだ。


さっそく日本酒のメニューを見ると、秋田の地酒が全種揃っていて、一合600円台均一とリーズナブルなように思えるが、実は全て普通酒なのも長野と同じだ。
純米酒の値段を見ると、決して手頃な値段ではない。

オバチャンの巧みな売り込みに応じて、刺身やハタハタなど何品かオーダーし、新政、福禄寿など、翌日訪問予定の蔵の酒を飲む。



料理ははっきり言ってイマイチなので、ファーストオーダーだけで切り上げ、自力で探したバー「レディ」に入る。
外観はイマイチだが、雪国仕様でドアが二重になっており、中の入口はクラシックでいい感じだ。

