偉大なるアラスカ
ヘビーなディナーを食べた後は、サンセット・フライトに出発だ。
4人乗りだと思っていた小さな単発のプロペラ機に、7人全員が乗ることになるのでかなり恐ろしい。
ドアなんかペコペコだし。
1名はビビッて脱落した。


一応パラシュートの説明を受けるが、いざとなったら絶対無理だ。
超ベテランパイロットを信じて飛び立つ。



離陸した直後はホテルの施設が見えたが、1分後には薄い鉄板一枚隔てて、広大な大地と空しか無い世界だ。
渡されたiPadみたいな計器を見ても、さっぱり理解できない。



やがて太陽が沈んで行く。


空と大地のショーを見ていると、日本での仕事や小さな悩み事など、すっかりどこかに消え去っている。
もっとも成田に着いた時から、仕事はまったく忘れてるけどね。


無事に着陸したので、最後のショータイムの前に部屋で乾杯する。
ここでついに秘蔵の会津娘を開栓する。
福島県白河から東京に送られ、さらにはるばる空路を5000km飛んでアンカレッジに到着し、アラスカ鉄道にも何百キロか乗り、デナリから陸路を300km走ってチナ温泉にたどり着いた日本酒だ。
贈ってくれた「けーさん」も本望だろう。
翌日にはアラスカを離れるので、残っていたビールやワインも飲み尽くす。

そしていよいよ、アクティビティセンターに行ってオーロラ待ちだ。
頭上は満天の星空なので、きっと出現しそうな気がする。
ところがアクティビティセンターは、持参した煎餅とか食べながら、大声で話す関西弁のオッチャンとオバチャンで溢れている。
これではオーロラがびっくりして逃げ出しそうだ。
もう一か所徒歩圏内にオーロラ観測の山小屋があるらしい。
写真を見ると素敵だが、暗闇を歩いて行かなければならないし、今は電気が止まっていると言われる。

7人居れば怖くないので、懐中電灯と鍵を借りて、丘の上に建つオーロラ観測小屋に行くことにした。
真っ暗な山道の途中には、巨大なムースか熊の糞が落ちていたりするので要注意だ。

北側が大きなガラス窓になった観測小屋で、何時間でも待機するつもりだ。

時々外に出て星空を見上げる。
まさに星が降ってくるように見える。
北斗七星もくっきりだ。
おそらく零下に冷え込んできたので、小屋に戻ってホッカイロで暖を取る。

と、前面の山がボーっと白くなってきた。
さらに待つと、緑色の線が縦に走ったりする。
かなり地味だが、オーロラだ。
外に出て写真を撮るが、液晶画面には何も写っていない。
帰国後に画像を補正すると、なんとか見られるようになった。
ド派手なやつは、またいつか来る時の楽しみに取っておこう。

| Alaska | 00時00分 | comments:15 | trackbacks(-) | TOP↑